遺産分割調停について
遺産分割調停とは
被相続人が亡くなった後、その遺産の分割について相続人の間で話合いがまとまらないといった場合に利用できる法律手続きを遺産分割調停といいます。遺産分割調停を利用するには家庭裁判所に遺産分割調停事件として申し立てを行います。この調停は、相続人のうち1人でも申し立てることが可能です。
相続で話がまとまらなくなるとすぐに「裁判だ!」とおっしゃる方もいますが、原則的には相続は調停前置主義となりますので、まずは家庭裁判所で調停を行うことになります。
この調停でも話がまとまらず、法律的な判断が必要となった場合には裁判に移行するケースもありますが、実際にはごく稀なケースのようです。
どんな場合に調停を利用すれば良いのか?
遺産分割協議がまとまらない場合や法律的な判断が求められる場合に「遺産分割調停」を利用することになります。
相続における法律的な権利には「遺留分・寄与分・特別受益分」などがあります。しかしこれらの権利は個人の判断で私的に確定するものではなく、あくまで法律的な判断を通じて確定される権利となります。
<調停を利用するのは下記のようなケースです>
- 遺言書で法定相続分を侵されている。また、話し合いも出来ない状態 …遺留分
- 被相続人の死亡の半年前に、現金1千万円が特定の相続人に贈与されており、
生前贈与された財産を持ち戻して公平な遺産分割にしたい …特別受益
当事者同士での話し合いによる解決が難しい場合、調停の申立てを行うことも解決方法のひとつと言えるでしょう。遺産分割調停では相続人だけではなく、家庭裁判所の調停員などの第三者が間に入ることで冷静に話し合うことも可能です。
遺産分割調停に必要な書類
- 遺産分割調停申立書
- 遺産目録(土地、建物、預金、株式など)
- 相続関係図
- その他添付書類
遺産分割調停の流れ
相続人・相続財産・遺言の調査
↓
遺産確定 →遺産目録の作成
↓
遺産分割の通知と協議の提案 →話し合いがまとまらない
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遺産分割調停の申し立て ※ここまでの手続で3ヶ月ほど掛かります。
↓
調停が受理されると、1か月に1回のペースで調停が開かれます。
調停は最低でも通常4~5回は行うのが一般的となります。そして、最低でも結果がまとまるまで通常1年~1年半くらいの期間がかかります。