危急時遺言(緊急時の遺言)
ここでは、危急時遺言についてご案内していきます。
予めお伝えさせていただきますが、この危急時遺言はほとんど使用事例がなく一般的な遺言書ではありません。それは法律手続きを知っている士業事務所が少ないことや危急時遺言を作成する場面において一般の方では対応が難しいこと、さらに対応方法を知っている人であり証人となりうる人間が3名(妻や子供など利害関係者を除く)、必要な事も理由として挙げられます。 |
危急時遺言は疾病その他の事由で死亡の危急に迫っている場合に認められる遺言方式です。
※一般臨終遺言、死亡危急者遺言とも言います。
危急時遺言は、病気で死に瀕している状態の人が遺言を残さなくてはならない場合、事故などで緊急事態となり遺言書を作成しないと遺言者の生命が失われてしまう場合などの緊急事態に使われる遺言書の形式となります。
危急時遺言の作成需要
前途の通り一般的ではないこの危急時遺言ですが、今後は増えていくことも考えられます。昨今、遺言書が無いために起こってしまう親族間でトラブルや、相続が進まない不動産の問題など高齢化社会において相続に絡んだ問題が後を経たない状況にあります。
こうした世相において遺言書の重要性が少しずつ浸透していますので、生命の危機に迫った方が遺言書を残したいという話も少なからず増えていくのではないでしょうか。
- この危急時遺言は、簡単なお手伝いではありません。
繰り返しになりますが、緊急時でありながら民法にしたがって適法に作成する必要があるこの危急時遺言のお手伝いは大変難易度が高いものとなります。
また、利害関係者ではない3人を証人として集める必要があります。 利害関係者となるため身内の人間が証人になることは出来ません。
※危急時遺言は、あくまで緊急時の遺言となります。遺言者の容体が回復するなどして、通常に遺言書を作成できる状態になった場合には、容体が回復してから6ヶ月間経過した場合に無効となります。民法では遺言書が書ける状況となって6ヶ月生存していた場合とされています。(民法983条)